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04/11/2005

第145号 2005年4月11日 中国の反日デモ

 
 伊豆利彦 http://homepage2.nifty.com/tizu
 メールアドレスを次のように変更しましす。
 xyztizmk@nifty.com

竹島問題、歴史教科書問題で韓国世論が沸騰していると思っていたら、今度は中国で大規模な反日デモがおこって、日本国民を驚かせている。

日本人の多くはこんなことがおこるとは思ってなかったのであろう。事態に驚き、中韓両国人民に対する反感を強めている。

小泉首相も町村外相、中山文科相なども、こういう結果になろうとは予測していなかったのではないか。

そこに日本人のアジア問題、歴史認識問題に対する認識の甘さがあるように思われる。
過去に対してばかりではない。
現代の中国に対しても、世界に対しても、はたして、どれだけの認識を持っているか、心もとない。
イラク問題ではまともな議論をする人も、中国問題、韓国・朝鮮問題になると、理性をうしなって、感情的になる傾向がある。

私には、中国・韓国、さらには北朝鮮の日本批判さえも、日本の政府高官の発言より理に適っているような気がして、残念に思うことがしばしばだ。

小泉首相などは、いろいろ言い分があるだろうが、それがすべてではないのだから、未来志向で協力を強めて行くことが大切だと、例のとぼけた言い方をしているが、それでは、日本人はごまかせても、中国や韓国・朝鮮、さらにはアジア諸国人民をごまかすことはできない。

アジアの国々ばかりでなく、フランス、ドイツ、そしてアメリカでさえ、あきれ果てずにはいられない日本の態度である。それに日本国民だけが気がつかず、中国・韓国の国民的憤激を、反日教育の結果だとか、自国の政府に対する反対運動ができないので、反日で盛り上げているのだとか、枝葉末節のことを問題にしている。
ここには、かつて侵略したアジア諸国に対する侮蔑の感情があるのではないか。
彼らの懸命の抗議をまともにうけとめず、おくれた国の無知な人民の野蛮な行動だと見下しているような気がしてならない。
それは、結局、日本の過去を肯定し、いまのアジア諸国民を見下す傲慢な態度と見られても仕方がない。
現に、この事件を契機に、自国の過去を反省する代りに、反中、反韓の気分が強まっているように思われる。

そもそも小泉首相の靖国参拝に固執する態度が異様だった。
腕白小僧の意地っ張りみたいなところがあった。
自分のすることにアジアの諸国がつべこべ言うのはおかしい。
自分は自分だ。自分のすることにお前らに口をはさませはしないという驕りたかぶった態度だった。
いくら文句を言っていても、結局は経済的な利益がほしくてお前らは頭を下げて来るにちがいない。そうすれば、自分がはじめて、総理大臣の靖国公式参拝を認めさせたことになるのだと言わんばかりの態度だった。

中山文科相や町村外相は、過去の侵略戦争を美化する教科書を検定で通過させても、それは、日本の国内問題であり、法的に適法の手続きをふんで採用されるのだから、自分体に責任はないという、極めて無責任な態度だ。
そして、いろいろな教科書があってもいいのではないか。これが民主主義の日本のいいところだと居直る。

政府当局者ばかりではない。
私が信頼し、わざわざCSの契約をして見ている愛川欽也のパックイン・ジャーナルも、ことがアジアの問題になると、愛国的になる傾向がある。
コメンテーターの田岡俊次氏も次のように述べていた。

それぞれの国が自国の過去を美化し、誇らしいものに飾りたてるのは当然で、どこの国の歴史教科書もそうなのだ。イギリスだってフランスだって、西洋の列強はアジアやアフリカを侵略し、そのことによって巨富を得、文明国として発展したのだ、それを彼らは反省したり、謝罪したりすることはないではないか。

これは一理ある発言だ。
しかし、帝国主義の時代と、第1次世界大戦、特に第2次大戦以後の、侵略戦争否定の動向を混同するものではないだろうか。

もちろん、いま、アメリカは第2次大戦後の侵略戦争を否定する国連の精神をふみにじっている。このアメリカに鼓舞されて、小泉首相とその仲間たちは日本の侵略戦争を肯定する動きを強め、日本の軍事体制を、中国を視野にいれたものに再編成しようとしている。
国民をこの体制に動員するために、竹島問題や尖閣列島問題など、国家間の緊張を強め、国民感情を刺激する問題を激化させている。
靖国問題や歴史認識の問題、教科書問題でも、きわめて挑発的な態度をとりつづけてきた。

しかし、これほど強い反応があるとは彼らは予想していなかったのであろう。そして、この反応が日本国民の対中反感を強め、日中関係、日韓関係は政府が統制することができないような大変な事態に発展しようとしている。

日本商品のボイコットを呼びかけるメールが萬晩報に紹介された。私の新掲示板2[2183]に紹介しているので、読んでいただければ幸いである。

このメールに次の言葉がある。

<日本の松下という会社のある重役が、「我々が靖国神社へ行かなくても、韓国人は我々の商品を買ってくれない。しかし、我々が如何に靖国神社を参拝しても中国人は我々の商品を買ってくれる」と言っていた。これはまさに、中国人たちを淋しくさせる一言である>

これについて私は次のように考える。

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新掲示板2[2188]
小泉首相や中山文科相はいくら靖国参拝をつづけても、対中暴言をはいても、中国は経済的な理由で屈伏するにちがいないと驕りたかぶっているのではないか。

彼らは中国を見誤っている。

中国も韓国も、対日友好派の首相や大統領が就任して、両国関係の改善を呼びかけたが、それに対して、日本はますます傲慢な態度をとってきたのではなかったか。

中国も韓国もEUやアジア諸国との関係を強め、中国の対日貿易額はEU、アメリカに次ぎ、3位になっている。

日中関係の断絶で打撃を受けるのは中国よりも日本なのだ。

いまの政権はこの現実を直視することができず、強硬な態度を取れば彼らはたちまち屈伏すると考えている。

しかし、その反対に、それがこの政権の終末を招くのではないか。
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この事態を打開するには何が必要か。少し前の記事だが、[2177]に「人民網日本語版」2005年3月15日の記事<「反日教育」はどこから来るのか(評論)>を紹介した。

この文章の末尾の次の言葉は、いま、あらためて立ち返るべき原点ではないだろうか。

<日本の高官に申し上げたいのは、自国の歴史教育問題の改善に少し関心を持たれてはいかがかということだ。実際のところ、「日本への反感」を消したいならば、それは難しいことではない。もし日本の「教師たち」と「教科書」が自らを律することができるならば、「日本への反感」も自然に減り、中日関係も自ずと改善、発展していくだろう。なぜなら結局のところ、「日本への反感」は何も広範な日本人民への反感ではなく、日本の右翼勢力が軍国主義の悪行を煽り続け、一部の政治屋が無責任な言論を発表し続けることに対する一種の「精神的反発」だからである。>

peopledaily.com.cn/2005/03/15/jp20050315_48365.html

新掲示板2の次の項目を参照していただければ幸いです。

2170.盧大統領「日本の侵略美化は全世界の大不幸だ」
2150.■ どこまで広がる中国不買運動 日本企業の影響と対応
2145.「日本は周辺国との理解深めては」 ケーラー独大統領アドバイス
2130.■ チェーンストア協会も“参入” 深刻になってきた中国の日本製品ボイコット

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