第167号 2005年9月11日 9・11同時多発ビル破壊から4年たった
ブッシュ大統領はこれをアル・カイーダによる破壊で、アフガンのタリバン政府が庇護しているとして、最新科学兵器を動員して徹底的な攻撃をおこなった。アフガンのタリバン政権は崩壊し、臨時政府の樹立にまでおよんだが、ビン・ラディンはいまなお健在で、国内は反政府闘争が激化して、混乱がつづいている。
ブッシュ政府はアル・カイーダと関係があり、大量殺戮兵器を保有しているとして、国連安全保障理事会の反対を押し切って2003年3月19日(アメリカ東部標準時)イラク攻撃に踏み切り、目を覆うような大量破壊攻撃をおこなって、たちまち、バグダッドを制圧し、派手な勝利宣言をおこなった。その後、フセインを逮捕したが、国内の治安は日に日に悪化し、掃討作戦と称して、各地に残忍な攻撃を加え、武装勢力の反撃を激化させている。
憲法草案に対する不満も強くて、制定にはほど遠く、かえって国内の分裂抗争を強める結果を生んでいる。
これでは、米軍の撤退は容易ならぬ状態だ。
終戦一年前に対米講和が問題になったとき、天皇が、もう一泡ふかせてからにしたいという意向を示し、そのため、途方もない被害を出して、ようやく講和にふみきったというに日本の事情に似ている。
もっともっと大きな被害を出さなければ、米軍は撤退できないのであろう。
そして、日本も撤退できないのであろう。
しかし、こんどのハリケーン被害は、いままでのアメリカの政策に根本的な転換を求めるものとなりそうだ。
イラク戦争の莫大な戦費のためにアメリカの財政は破綻している。
このため、ルイジアナの災害は予測されていたにもかかわらず、堤防改修の予算25億が削られ、それがこの災害の根本的な理由だという。イラク戦費は一ヶ月52億ドルだというから、これに比して堤防改修費は高すぎたのだろうか。しかし、それにしても、その結果は悲惨だった。
また、災害発生後の対応のおくれも問題になっているが、災害救援や復旧にあたるべき州兵がイラクに動員されていて、救援復旧のための資材も欠乏していたことが指摘されている。
また、災害の犠牲者の大多数が貧困なアフリカ系住民であることも深刻な問題だ。
福祉を後回しにする貧困者切り捨てのアメリカの政策、繁栄のアメリカの悲惨な実相が暴露された。
遠いイラクのことよりも、自国民の安全と幸福のためにつくせという声が上がるのは当然だ。
ヴェトナム戦争のときもアフリカ系住民の公民権運動が大きな役割を果たした。
いま露呈された現実が、アメリカ人の自由と公正、平和のための大きな運動に発展するなら、アメリカはこれを契機に大きな発展をとげるだろう。
アジア政策にも当然変化がおこるはずである。
9・11以来の戦乱はなんとしても終結させなければならない。
そのことを、強く思わせる今日である。
この日、日本は総選挙投票日である。
こんどの選挙では、自民も民主も、外交について触れなかった。
憲法改変についても触れなかった。
矮小な選挙だ。ペテンの匂いのする選挙だ。
どちらが勝っても、せせこましいことばかりやって、世界情勢の変化に対応できないのではないか。
もっと根強い国民の意志の結集が大事なときだ。
そのような、長期にわたる展望をもち、平和を守る運動を結集する政党の得票が延び、議席がふえることを期待する。
いよいよ秋らしくなってきました。
こんどの選挙では靖国問題や朝鮮問題などが論点にならず、なにか、田舎の地方議会選挙のようです。
日本もスケールが小さくなり、アジアでも、世界でも、発言権がちいさくなるばかりです。
六カ国協議でも、ろくな役割ははたせないでしょう。
なにしろ、若い世代に現代史を教えず、政治教育をして来なかったのですから仕方がない。民主教育の基本は民主主義についての政治教育ではないでしょうか。
日本の若者たちは国の主権者として育てられていない。
この教育が、また、愛国教育などの名のもとに後退させられる。
どこまで行けばいいのか。
どれだけの犠牲を出さなければならないのか。
しかし、その日本にもアメリカの新しい動向は変化をもたらすのではないでしょうか。
皆さん、お元気で。


Comments
重要なのはアメリカの軍事第一主義が崩壊し、朝鮮の先軍思想にも、変化が生じるのではないかということだ。
戦争によらずに国際紛争を解決する時代が、ようやく実現しようとしている。
日本国憲法の輝くときだ。
それなのに、日本では子どものはしかのように軍事力依存主義が強まり、憲法改正を求める声が強まっている。
Posted by: 伊豆利彦 | 09/11/2005 at 12:59 PM