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10/26/2006

第228号 6カ国協議とアメリカの誠意

>>日々通信 いまを生きる 第228号 2006年10月26日<<

   発行者  伊豆利彦
ホームページ http://homepage2.nifty.com/tizu/

6カ国協議とアメリカの誠意

「人民網日本語版」2006年10月25日 「解決に重要なことは2つ」 として 次のように劉建超報道官の言葉を伝えている。

>唐家セン国務委員が朝鮮を訪問し、朝鮮半島の核問題について踏み込んだ議論を行った。われわれも、いくつかの積極的な情報があったと思う。この後、朝鮮側も別のルートを通じて、6カ国協議に改めて復帰する意向を示した。これも注目に値する積極的な情報だ。

>現在、朝鮮半島核問題の解決のカギには2つの面がある。

>第1に、各国は引き続き冷静に対応し、対立が情勢の制御不能や動揺を招くことを避けなければならない。

>第2に、当面の急務は、各国の共同努力によって6カ国協議を早急に再開し、各国を同じテーブルにつかせ、朝鮮半島情勢を処理し、朝鮮半島の非核化を実現する方法について、踏み込んで話し合うことだ。
>これも各国の共通利益に合致する。(編集NA)
http://j.peopledaily.com.cn/2006/10/25/jp20061025_64255.html)

劉建超報道官はまた<正常な貿易と援助は決議の禁止行為でない>と次のよう述べた。

>朝鮮人民に援助を提供し、その困難の克服、民生の改善、生活水準の向上を支援することは、中国政府の一貫した政策であり、これは朝鮮半島情勢の安定と、朝鮮人民にとって有益な政策だ。

>わたしは今のところ、朝鮮への石油供給量が減らされたとは聞いていない。

>朝鮮と正常な経済貿易交流を実施し、経済援助を提供することは、国連安保理決議1718の禁止行為にはあたらない。(編集NA)
http://j.peopledaily.com.cn/2006/10/25/jp20061025_64252.html)

さらに
>制裁自体は目的ではなく、関連措置は対話と協議、外交的手段による朝鮮半島核問題の解決、朝鮮半島の非核化と北東アジアの平和と安定の実現という目標に資するものであるべきだと考えている。各国は制裁を任意に解釈または拡大すべきではない。特に、対立と情勢の悪化は防がなければならない。

とも述べた。

これに対して金総書記は「2回目の核実験計画はない」と表明したという。
(http://j.peopledaily.com.cn/2006/10/25/jp20061025_64246.html)また、聯合ニュース

>バンコ・デルタ・アジア(BDA)の口座凍結問題を6カ国協議の枠組みの中で解決するという合意さえ得られれば6カ国協議に復帰する可能性があるとの意向を示した。 

と伝えている。

>北朝鮮の関係者はまた、「北朝鮮の核プログラムの目的は核保有や核武装ではない。追加核実験は米国の態度にかかっている」とこれまでの立場を強調し、米国の肯定的な回答が来ることを期待していると話した。
(http://japanese.yna.co.kr/service/article_view.asp?News_id=832006102300400)

朝鮮の労働新聞が人民解放軍の参戦記念日に強い親善の意を表明したことも注目される。

>【ソウル25日聯合】朝鮮戦争での中国人民解放軍参戦から56周年を迎えた25日、北朝鮮の労働新聞は「わが人民の抗日革命戦争と中国の国内革命戦争、抗日戦争そしてその後も両国の人民は互いに協力し、支持声援しながら親善の紐帯(ちゅうたい)を強化してきた。中朝の親善は風波に打ち勝ち、両国人民の願いと利益に合わせ発展している」と報じた。

>また、中朝の親善は両国人民の共同の財産で、その発展は両国の社会主義建設を進め、アジアや世界の評価と安全を保障するために有益だと強調した。中国は政治や経済、文化など社会生活のさまざまな分野で肯定的な変化が起き、国力が強化されていると評価した上で、北朝鮮は中国の努力が成功することを望んでいると伝えた。
http://japanese.yna.co.kr/service/article_view.asp?News_id=142006102501300

19日の中朝会談から一週間たって、ようやくこの会談の内容と両国の取組みの方向があきらかになってきた。

中国は国連決議にしたがって朝鮮に対する核開発関連の物資や贅沢品の輸出入の取り締まりは強化するが、食糧や石油など生活に必要な物資の援助はつづけ、朝鮮の6カ国協議復帰のための努力をつづける。朝鮮はアメリカの譲歩が完全でなくても、その保障が得られれば復帰するというのであろう。

経済制裁をつづけながら朝鮮の6カ国協議復帰をもとめることはできない。ひたすら制裁の強化による復帰を求めているアメリカの考えはどうなのか。両国はこのことについての了解をしなければならない。

アメリカは<無条件復帰>を求め、日中韓露4カ国に制裁の強化に足並みをそろえるよう強調している。核が問題であるより、経済制裁で金正日政権の崩壊を目指しているように見える。そして、日本もそのしり馬に乗っているようだが、国境を接する中韓露は、朝鮮の暴発による戦争の勃発をおそれて平和解決のために可能な限りの努力をしたい考えだ。朝鮮もまた破滅の道である戦争を望んでいない。中韓露は朝鮮と目指すところをともにし、アメリカと対立してさえいるのだ。

アメリカも外交交渉で解決したい、軍事的手段に訴えるつもりはないと繰り返している。しかし、遠く離れていて何がおころうと危険を感じないため、本気で平和解決に取り組もうとしないのだ。イラク、イランの問題が切迫していて手がまわらないということも事実であろう。

日本は突出して制裁手段を探し求め、軍事衝突がおこってもかまわないという強気の気分が高まっている。朝鮮などはアメリカの前には赤子のようなものだとアメリカだよりで見くびっているのだ。朝鮮が核を持つなら日本も持つべきだという意見も強まっている。これは、戦争以来60年、平和の日々を過ごして、<平和ボケ>といわれても仕方がない状態におちいっている。

戦争は、はじめは小さな紛争から幾何級数的に拡大し、とんでもないことになっていくのだ。それは弱小国イラクにすっかり手を焼き、進退窮まってとめどない出血を強いられているいまのアメリカを見ればあきらかである。

いま、アメリカ国内でも、中東問題とともにブッシュ政権が朝鮮の核開発に責任があるという声が次第に強まっているようだ。今度の中間選挙では平和を主張し、ブッシュ政権の責任を追及する勢力が優勢だと伝えられる。中間選挙の結果は事態の好転を招くのだろうか。

日本は唯一の被爆国であり、平和憲法に守られて来た。どこの国より真剣に平和的解決のために奮闘すべきなのだと思う。そのためには中韓露といっしょになって、アメリカが本気で6カ国協議に取り組むことを求めるべきではないか。いつまでも宙ぶらりんではたまらない。

秋晴れの日がつづく。
朝鮮問題ばかりを取り上げるのは鬱陶しくてやりきれない。
これで、しばらく不安定な均衡の時期がつづくのかもしれない。

昨日は出身中学の同級会があった。
昔、13、4歳だった少年たちが、いまはもう80才になる。みな昔にかえり、たのしいひとときを過ごしたが、なにかおかしい気がする

中学3年のときに対米英戦争の開戦を迎えた。
戦争を離れて私たちの中学生活はない。
陸士や海兵に入学したものもいるが戦死したものはいない。
いま、私は阿川弘之や遠藤周作の作品について短い文章を書いているが、彼らは安岡章太郎、島尾敏雄、吉田満らとともに、私たちより3,4才年長で、学生時代に徴兵延期を取り消され、昭和18年、いわゆる学徒動員で動員されていった世代だ。
そんなことになろうとは誰も予想していなかった。
思いがけないことが、思いがけないなく起こる。それが戦争だ。

この前の日曜には日文協文協近代部会で広津和郎の散文精神を二葉亭四迷、夏目漱石、石川啄木と結びつけて論じた。
漱石を読む会では「草枕」を読んでいる。
明後日は、横浜の労仂者詩人船方一の50年祭でシンポジュームのパネラーになる。

かれらについて、また、愛国心、「美しい国」、教育改革についてなどいろいろ書きたいことがあるが、余裕がなかった。
朝鮮問題に小康がつづくことを願うばかりである。

秋は皆さんも多事だと思う。お元気でお過ごし下さい。

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