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01/06/2007

第238号 平和に向って

日々通信 いまを生きる 第238号 2007年1月6日

   発行者  伊豆利彦
ホームページ http://homepage2.nifty.com/tizu/

平和に向って

 今年は6カ国協議が前進し、新しい展望が開けてくるように思われる。日本のマスコミには悲観的な観測が多いが、これはいまの政府の希望をあらわしているに過ぎない。

 現に6カ国協議は再開され、米朝直接交渉も始まった。いま休会中の6カ国協議について今月中に再開される可能性もあると米国務省のマコーマック報道官が語ったと伝えられる。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070106-00000772-reu-int

 韓国からは南北首脳会談の開催を求める動きがしきりに伝えられる。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070106-00000000-yonh-kr他 

 これらの動向はホームページの<時事問題 ニュースへのコメント><掲示板>で可能な限り伝えている。
 これらはインターネット上の情報を注意深く探索すれば容易に知ることのできるものである。

 なぜ、日本のマスコミはこれらの動きを重視せず、悲観的な情報をのみ大々的に報じて、朝鮮の脅威をのみ強調するのだろうか。
 憲法改定を強行し、軍事力の強化を実現したいのであろう。

 ワーキングプーアの問題、増税、社会保険の負担増、少子化、残業代不支給、高齢者の不安増大等々、大企業は好景気だというのに国民生活の実情は暗い。啄木の「時代閉塞の現状」が身に沁みる時代だ。

 こんな時代が来るとは戦後60年間思っても見なかった。科学・技術が発展し、生産力は急激に増大しているのに、なぜ、こんなに国民生活の未来が暗いのだろう。

 この責任は戦後政権を握りつづけた政権政党にあるのは明らかだ。しかし、彼等はすべてを教育の問題にすり替え、教育基本法を改訂し、愛国心を強調している。愛国心によって、いまの諸問題が解決の方向に向うとでもいうのか。それは、個人より国家を重視し、国家の名において個人を圧迫する道だ。

 愛国心を高めるためには国家の危機を強調する必要がある。かつてはソ連、中国が脅威だった。いまは、弱小国朝鮮が脅威だというのだ。

 朝鮮が求めているのは自国の存続であり、経済援助だ。自国の安全が脅かされていると判断しないかぎり朝鮮の方から攻めてくおそれはない。そもそも、よほど窮地に追いつめられないかぎり、弱小国の方から強大国に先制攻撃をしかけたという例はない。

 いま、金正日政権を打倒せよと叫んでいるのは、アメリカや日本の方ではないか。朝鮮を民主化して朝鮮人民を解放せよというのだが、まともにそんなことのために、自国の若者を殺すつもりがあるとは考えられない。

 経済制裁や軍事干渉で拉致問題が解決するとは考えられない。必要なのは平和的交渉であり、国交回復であることは明らかなことではないか。 強硬策は相手を強硬にする。イランでも、パレスチナ、レバノンでもアメリカの強硬策が強硬派に政権を握らせた。アメリカの強硬策はアルカイーダを強化し、イラクでも武装勢力を強め、内戦状態をまねいた。 
 イラクでもアメリカはやすやすとバグダッドを占領し、勝利宣言をしたが、戦乱はそれから激化したのだ。朝鮮でも、たとえ金正日政権を打倒したとしても問題はそれからだ。拉致問題の解決どころではないだろう。それは誰にも明らかなことだ。
 
ひたすら軍事力に依存するアメリカのイラク政策が失敗し、ブッシュ政権が中間選挙に敗北して、世界の流れは平和を求める方向に転じている。朝鮮問題も、元来はブッシュが朝鮮をイラク、イランとともに「悪の枢軸」と呼び、軍事制裁も辞さずとして、クリントン政権末期に開かれた米朝和解の方向を蹂躙したことから始まる。

 日本の政府筋やマスメディアが6カ国協議の失敗を言い立てているにもかかわらず、私は、たとえどんなジグザグがあろうとも、必ず、それが成功することを信じている。

 平和が世界政治の主流になったいま、憲法改悪と軍事力強化をめざす現政権の政策は破綻するだろう。

 年の初めに、あらためて平和のために、できる限りのことをしたいと思う。

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Comments


正月に考えること

6カ国協議が進められ、新しい局面に入れば何よりである。
今年はそのような雰囲気が定着するのだろうか。

去る5日アメリカの国務長官ライスは、記者会見の席で、北朝鮮が再び核実験を強行する時にはさらに孤立化していくだろうと述べている。
これにまた、国務部のスポークスマンは、再び核実験を強行すると、6カ国協議に深刻な結果を齎すだろうと相槌を打った。

アメリカネオコン政府の万一という仮定形の脅迫に、まず新年を迎え世界平和を祈るすべての人々は改めて目が覚める。
なぜ「悲観的な観測」から一年を始めようとするだろう。
対話を強調し、経済制裁を解除する可能性と6カ国協議の進展の展望を世界の人々に断わるべき場所ではないか。

これを大いに宣伝するアメリカ右翼のマスコミ、そしてそれにに追従し、「悲観的な情報のみ大々的に報じて、朝鮮の脅威をのみを強調する」日本のマスコミに憂鬱さを感じずにはいられない。

6カ国協議は再開されるだろうが、進展しないのは、強攻策を諦めないアメリカの姿勢によるものではないか。
繰り返すに、北朝鮮にとって経済制裁の問題は、生存に関わる問題であろうが、アメリカは世界でもっとも強大国としての名分ばかりに拘っている。

前回の6カ国協議の内実を覗き込んでみれば、実はアメリカと北朝鮮の二者協議であった。
中国を真ん中に挟んで、韓国、ロシア、日本は雰囲気作りに励み、アメリカと北朝鮮は非公式のテーブルでやり取りをしていたと思われる。

経済制裁を少しでも解除したら、前回の6カ国協議は確実に進展をみせただろう。
核問題を表面に立たせ、生存するため、経済援助と金融制裁措置の緩和を求める北朝鮮の必死的な戦いは、無謀な冒険にほかならない。
しかし、無謀な冒険であるから、いざとなればアメリカとの戦争を覚悟し、アメリカに挑む。

なぜ強大国アメリカは、北朝鮮に核実験を続けるよう口実を与えようとしているのか。
まったく金融制裁を緩和せず、6か国協議を進展させない理由はどこにあるのか。

ある意味からいえば、北朝鮮が6か国協議に無条件で復帰したのは、アメリカからの金融制裁の可能性を予想しての行動からだった。
しかし、一方北朝鮮はそれを100%信じていたのだろうか。
半信半疑だったわけで、それは北朝鮮の降伏の宣言であったといえなくもない。

6カ国協議に無条件で復帰した北朝鮮に、アメリカは太陽政策というものを念頭におくはずはないが、少しでも金融制裁を緩和すればどうだったか。
もっと平和的交渉の扉は開き、日本の拉致問題や強攻策も北朝鮮との国交回復を意識し、それに歩調を会わせることになったのではないか。

アメリカは確実に6カ国協議の主導権を握っている。
北朝鮮は無条件で核実験を諦め、このまま降伏はしようとはしないものの、アメリカの言うことを聞く体勢だ。
それなのに、アメリカは北朝鮮を破局に追いつめ、勝利宣言でもしようと企んでいるのではないだろう。
イラク政策に失敗したブッシュ政権に、北朝鮮の問題を政治的に利用しようとする意図があるなら、6カ国協議はその方向性を見出せず、支離滅裂になるに違いない。

日本の「憲法改定を強行し、軍事力の強化」への動きもこのような世界情勢の中で考えたい。
最近イラクでの宗派の葛藤、内戦状態の悪化の可能性をアメリカによるフセイン処刑から見る。

2007年はたしてアメリカは、対話と殺戮の中どちらを選ぶだろう。

この頃侵略戦争に反対し、国家権力と闘争した小林多喜二の精神を考える時間が多い。
それは石川啄木の「時代閉寒の現状」という言葉とも絡むだろう。

一方「漱石はイデオロギーを排除したけれど、信念としての思想があった」。
漱石の思想は2007年にもまざまざと我々に蘇ってくるだろう。
その漱石の思想の中に小林多喜二も石川啄木も生きていると思う。

Posted by: 金 正 勲 | 01/07/2007 at 08:47 PM

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