森田さんの<2005年森田実政治日誌[70]>が<戦争を語り継ごうML>に紹介された。
森田さんの発言には以前から関心をもち、掲示板その他で紹介して来た。
この森田さんが、今度は永井荷風の「断腸亭日乗」を紹介している。
紹介記事は次の通り。
皆さん 西羽です
政治評論家の森田実氏は、18日の「政治日誌」で、「歴史は繰り返すのか
――永井荷風『断腸亭日乗』に学ぶ 」と題して、
< 親友のKさんから「いま永井荷風の『断腸亭日乗』を読んでいる。ア
メリカの友人から勧められた。アメリカの友人は、日本の現代史を研究し
ていて、『今日の日本と永井荷風が日記の中で書いた昭和初年から10年代
に非常に似ている』と言っている。たしかに非常に似ていると思う」と言
われて、私も読んでみました。同感しました。>
と書いています。以下、全文は、
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C0960.HTML
◇◆
戦後間もなく、荷風全集が刊行されて以来、荷風の「断腸亭日乗」には関心をもってきた。
特に、最近は思い出すこと多く、私のホームページにその抜粋を掲載した。
以下に私の掲示板に記したものを再録する。
荷風は「断腸亭日乗」を、清書し、製本し、後世に読まれることを期待していた。
官憲に発見されれば処罰されるので、一部を切り取ったり抹殺したりして、ももう一度、書き込んだりしている。
荷風の絶望は深かったが、後世に必ず読まれるときが来ると信じ、後世の参考になると信じていたのだ。
荷風の反権力の思想は徹底していた。
1935年頃の作品、「濹東綺譚」にもそれを読むことができる。
この荷風の精神をどう考えるか。
私も抜粋をつくっているので、興味があれば、参考にしてほしい。
212. 「断腸亭日乗」から 伊豆利彦 [URL] 2005/03/20 (日) 02:07
「断腸亭日乗」*1941年六月十五日 喜多村イン〔竹かんむりに均〕庭が『イン庭雑録』其蜩の『翁草』につきて
……平生の事は随分柔和にて遠慮がちなるよし。但筆をとりてはいささかも遠慮の心を起すべからず。遠慮して世間に憚りて実事を失ふこと多し。翁が著す書は天子将軍の御事にてもいささか遠慮することなく実事のままに直筆に記し、……
余これを読みて心中大に慚るところあり。……余は万一の場合を憂慮し、一夜深更に起きて日誌中不平憤懣の文宇を切去りたり。また外出の際には日誌を下駄箱の中にかくしたり。今『翁草』の文をよみて慚愧すること甚し。今日以後余の思ふところは寸毫も憚り恐るる事なくこれを筆にして後世史家の資料に供すべし。
日支今回の戦争は日本軍の張作霖暗穀及ぴ満洲侵略に始まる。日本軍は暴支膺懲と称して支那の領土を侵略し始めしが、長期戦争に窮し果て俄に名目を変じて聖戦と称する無意味の語を用ひ出したり。欧洲戦乱以後英軍振はざるに乗じ、日本政府は独伊の旗下に随従し南洋進出を企図するに至れるなり。然れどもこれは無智の軍人ら及猛悪なる壮士らの企るところにして一般人民のよろこぶところに非らず。国民一般の政府の命令に服従して南京米を喰ひて不平を言はざるは恐怖の結果……麻布聯隊叛乱の状を見て恐怖せし結果……忠孝を看板にし新政府の気に入るやうにして一稼なさむと焦慮するがため……元来日本人には理想なく強きものに従ひその日その日を気楽に送ることを第一となす……今回の政治革新も戊辰の革命も一般の人民に取りては何らの差別もなし。欧羅巴天地に戦争歇む暁には日本の社会状態もまた自ら変転すべし。今日は将来を予言すべき時にあらず。
六月二十日。
伊太利亜の友と称する文士の一団より機関雑誌押売の手紙来る。時局に便乗して私利を営むなり。本郷の大学新聞社速達郵便にて突然寄稿を請求し来る。現代学生の無智傲慢驚くの外なし。……余はかくの如き傲慢無礼なる民族が武力を以て隣国に寇することを痛歎して措かざるなり。米国よ。速かに起つてこの狂暴なる民族に改俊の機会を与へしめよ。
抜粋の全文は以下を参照されたい。
http://homepage2.nifty.com/tizu/bassui/basu%20nagai%20a%20dantyou.htm
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