イラク自衛隊 万一の場合、靖国に祀られるのか
─【金子 勝(慶大教授)の天下の逆襲】─ 連載 ───────────────
▼ イラク自衛隊 万一の場合、靖国に祀られるのか ──
日刊ゲンダイ Dailymail Business 2005年 7月27日号 -2
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いよいよ、小泉首相の“レームダック化”が強まってきた。「靖国問題」と「郵政民営化」という、内政、外交、両方で追い詰められている。
ついに財務省までが、小泉後をにらんで、増税路線へと動き始めている。政府税調は、一応「消費税を上げない」という小泉首相の「公約」を立てて「サラリーマン増税」を打ち出したが、これはたぶん消費税アップのためのダミーだろう。本当の狙いは消費税率引き上げだ。
だが、小泉政権の“落とし穴”は、別にある。それはイラク問題だ。小泉首相は自衛隊駐留の期限が切れる12月まで、何もしないつもりでいる。そのまま1年間自動延長する気だ。しかし、いずれ大問題に直面することになる。
実は、7月10日に英国防省の「機密文書」が、ロイター、ワシントン・ポスト紙などに一斉に暴露された。内容は衝撃的である。英国軍は来年の半ばまでに、8500人の駐留軍を3000人に縮小し、さらに米軍は、来年初めまでに14万人を6万6000人まで半減させる計画だという。
しかも、英国軍はサマワが含まれるムサンナ県の治安維持を放棄し、イラク軍に任せる方針。また、米軍は18の県のうち、14県をイラク軍に任せる計画だ。要するに、バグダッドなど主要都市以外は、イラク人が治安を担うことになる。これでは、アフガンと同じように無秩序になりかねない。
つまり、小泉首相がこのまま何も手を打たずにいると、自衛隊は米軍も英軍もいない、文字通りの“戦地”にポツンと取り残されることになる。もし、12月に撤退するなら、9月中には決定していないと間に合わないだろう。
そんな危険な場所で、裸同然の自衛隊の安全は確保できるのか。もし、隊員に万が一のことがあったらどうするか。 靖国神社に公式参拝を続ける小泉首相にぜひ、聞きたい。最悪の事態が起きた時、隊員は「靖国神社」に祀られることになるのか。言っておくが、サマワは形式上「非戦闘地域」とされている。戦死ではないから靖国には祀れないはず。となると、獄中で死んだA級戦犯が戦死者でもないのに靖国に祀られる一方、本当は“戦死”した隊員
が祀られないということになる。実に皮肉な事態ではないか。
これも、すべて首相の場当たり的な姿勢が生んだものだ。展望も戦略もない米国追
随の小泉政治は、支離滅裂になっている。本当に危ない政治だ。
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