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2007年8月13日 (月)

漱石を読む会 2007 年7月22日 『虞美人草』  

A「君は日本の運命を考えたことがあるのか」「日本とロシアの戦争じゃない。人種と人種の戦争だよ」「アメリカを見ろ、印度を見ろ、アフリカを見ろ」
B 悲劇は遂に来た。来るべき悲劇はとうから予想していた。予想した悲劇を為すが儘の発展に任せて、隻手をだに下さぬは、業深き人の所為に対して隻手の無能なるを知るが故である。悲劇の偉大なるを知るが故である。悲劇の偉大なる勢力を味わわしめて、三世に跨がる業を根柢から洗わんが為である。不親切な為ではない。隻手を挙ぐれば隻手を失い、一目を動かせば、一目を眇す。手と目とを害ソコノ うて、しかも第二者の業は依然として変らぬ。のみならず時々に刻々に深くなる。手を袖に、眼を閉ずるは恐るるのではない。手と目より偉大なる自然の制裁を親切に感受して、  石火の一拶に本来の面目に逢着せしむるの微意に外ならぬ。
C (悲劇は)忽然として生を変じて死となすが故に偉大なのである。忘れたる死を不用意の際に点出するから偉大なのである。巫山戯フザケ たるものが急に襟を正すから偉大なのである。襟を正して道義の必要を今更の如く感ずるから偉大なのである。人生の第一義は道義にありとの命題を脳裏に樹立するが故に偉大なのである。
D 死を忘るるものは贅沢になる。 一浮も生中である。 一沈も生中である。 一挙手も一投足も悉く生中にあるが故に、 如何に踴るも、 如何に狂うも、 如何に巫山戯るも、 大丈夫生中を出ずる気遣いなしと思  う。 贅沢は高じて大胆になる。 大胆は道義を蹂躙して大自在に跳梁する。// 万人は日に日に生にむかって進むが故に、 大自在に跳梁して毫も生中を脱するの虞オソレ なしと自信するが故に、 --道義は不必要となる。
道義に重きを置かざる万人は、道義を犠牲にしてあらゆる喜劇を演じて得意である。巫山戯る。騒ぐ。欺く。嘲弄する。馬鹿にする。踏む。蹴る。--悉く万人が喜劇より受くる快楽である。この快楽は生に向って進むに従って分化発展するが故に--この快楽は道義を犠牲にして始めて享受し得るが故に--喜劇の進歩は底止する所を知らずして、道義の観念は日を追うて下クダる。道義の観念が極度に衰えて、生を欲する万人の社会を満足に維持しがたき時、悲劇は突然とし  て起る。ここに於いて万人の眼は悉く自己の出立点に向う。始めて生の隣に死が住む事を知る。縄は新たに張らねばならぬを知る。第二義以下の活動の無意味なるを知る。而シカして始めて悲劇の偉大なるを知る。……
E 「此所では喜劇ばかり流行ハヤる」
F「 支那や朝鮮なら、 もとの五分刈で、 此のだぶだぶの洋服を着て出掛けるですがね」
「西洋は八釜しい。 お前の様な無作法ものには好い修業になって結構だ」
「ハハハハ西洋へ行くと堕落するだろうと思ってね」
「西洋へ行くと人間を二通り拵えて持って居ないと不都合ですからね」
「不作法な裏と、 奇麗な表と、 厄介でさあ」
「日本でもそうじゃないか。 文明の圧迫が烈しいから上部を奇麗にしないと社会に住めなくなる」  「その代り生存競争も烈しくなるから、 内部はますます不作法になりまさあ」
「丁度なんだな。 裏と表と反対の方向に発達することになるな。 これからの人間は生きながら八つ裂の刑を受けるようなものだ。 苦しいだろう」
「今に人間が進化すると、 神様の顔へ豚の睾丸をつけた様な奴ばかり出来て、 それで落着が取れるかも知れない。 いやだな、 そんな修業に出掛けるのは」
「いっそ廃ヤメにするか。 うちに居て親父の古洋服でも着て太平楽を並べている方が好いかも知れない。 ハハハハ」
「ことに英吉利人は気に喰わない。 一から十まで英国が模範であると云わんばかりの顔をして、 何でも蚊でも我流で押し通そうとするんですからね」
「だが英国紳士と云って近頃大分評判がいいじゃないか」
「日英同盟だって、 何もあんなに賞めるにも当たらない訳だ。 弥次馬共が英国へ行った事もない癖に、 旗ばかり押し立てて、 丸で日本が無くなった様じゃありませんか」
「うん。 何所の国でも表が表だけに発達すると、 裏も相応に発達するだろうからな。 - なに国ばかりじゃない個人でもそうだ」
「日本がえらくなって、 英国の方で日本の真似でもする様でなくっちゃ駄目だ」

★英国時代の日記
★A夜下宿ノ三階デツクヅク日本の前途を考ウ。日本ハ真面目ナラザルベカラズ。日本人ノ眼ハヨリ大  ナラザルベカラズ。
★B英人ハ天下一ノ強国ト思ヘリ仏人モ天下一ノ強国ト思ヘリ独乙人モシカ思ヘリ彼等ハ過去ニ歴史アルコトヲ忘レツツアルナリ羅馬ハ亡ビタリ希臘モ亡ビタリ今ノ英国仏国独乙ハ亡ブルノ期ナキカ、日本ハ過去ニ於テ比較的ニ満足ナル歴史ヲ有シタリ、比較的ニ満足ナル現在ヲ有シツツアリ、未来ハ如何アルベキカ。

☆A12  雅号  外交官の雅号 「雅号は好いよ。 世の中には色々な雅号があるからな。 立憲政体だの。 万有宗教だの、 忠、 信、 孝、 悌だのって様々な奴があるから」
☆B15  あとは静かである。 ……古今来を空しうして、 東西位を尽くしたる世界の外なる世界に片足を踏み込んでこそ--それでなければ化石になりたい。 赤も吸い、 青も吸い、 黄も紫も吸い尽くして、 元の五彩に還すことを知らぬ真黒な化石になりたい。 それでなければ死んで見たい。 死は万事の終わりである。 又万事の始めである。 時を積んで日となすとも、 日を積んで月となすとも、 月を積んで年となすとも、 詮ずるに凡てを積んで墓となすに過ぎぬ。  [親不孝な学問] ◆自然  無限  宇宙  絶対  42  宇宙は謎
☆C20  宗近  雅号  質モノさえたしかなら構わない
☆甲野  そんなにたしかなものが世の中にあるものか。
雅号  必要 [自然は第一義に生きている][自然と道義]
☆D29  女の二十四は男の三十にあたる。・・・一人と一人と戦う時、 勝つ者は必ず女である。
30  呼んだ男と呼ばれた女は・・・ ☆★二人だけの世界  世界  救世軍  すり
*茶縁チャベリの畳を境に、 二尺を隔てて互に顔を見合した時、 社会は彼等の傍カタエ を遠く立ち退いた。 救世軍はこの時太鼓を敲タタいて市中を練り歩るいている。 病院では腹膜炎で患者が虫の気息イキを引き取ろうとしている。 露西亜では虚無党が爆裂弾を投げている。 停車場ステー ョンでは掏摸が捕ツラまって  いる。 火事がある。 赤子が生まれかかっている。 練兵場レンペイバ では新兵が叱られている。 身を投げている。 人を殺している。 藤尾の兄アニさんと宗近君は叡山に登っている。
*45  宇宙は謎である。・・・疑えば親さえ謎である。 兄弟さえ謎である。 妻も子も、 かく観ずる自分さえも謎である。 ★☆親の謎を解くためには、 自分が親と同体にならねばならぬ。 妻の謎を解くためには、自分が妻と同心にならねばならぬ。 宇宙の謎を解くためには宇宙と同心同体にならねばならぬ。

☆E49  立ちン坊  中腰  無能  無力  比叡山見えている
★F54  詩人  色相世界  色を見る者は形を見ず  形を見る者は質を見ず
◆54  小野さんの過去水底の浮草  上昇  夢  人情  ▲情に棹させば流される
☆G65  過去  寒い所から、 寒いものが追っ懸けて来る。
□74  東洋の経綸天下国家の為  東洋専門の外交官
★日本の運命アメリカを見ろ、 インドを見ろ、 アフリカを見ろ。
■99  一人の一生には百の世界がある。// わが世界とわが世界と食い違う時//
京の活動を七条の一点にあつめて、 あつめたる活動の千と二千の世界を、 十把一束カラゲ に夜明までに、 あかるい東京へ推し出そう為めに、 汽車はしきりに烟を吐きつつある。//
☆H129 過去へ帰ろうか。// 自分の世界が二つに割れて//小野さんは一寸未来の袖に隠れて見た。
☆I168 博覧会  台湾舘  文明  押される驚くうちは幸せだ  どこへ行く
☆J168 愛される:愛する
☆K192 我の女  プライド、プライド  文明の皮  個性  自己  虚飾  驕慢
□ 226  20世紀風 紙屑籠 
268 今の身と、 今の心は自分にさえ気の毒である。 実世界に住むとは、 名ばかりの衣と食と住とを貪るだけで、 頭は外の国に、 母も妹も忘れればこそ、 こうも生きている。 実世界の地面から、 踵を上げる事を解 ゲし得ぬ利害の人の眼に見たら、 定めし馬鹿の骨頂だろう。 自分は自分にすべてを棄てる覚悟があるにもせよ、 この体たらくを親父には見せたくない。 親父は只の人である。
271 「 妙だよあの人は。 藤尾に養子をして、 面倒を見て御貰いなさいと云うかと思うと、 矢っ張り御前を一に遣りたいんだよ。」  一人息子  養子になんぞ来られない
285  「藤尾がわきへ行くとしても財産は藤尾に遣ります」
286  「宗近の方が母オッカ さんを大事にします。」

☆L  浅井  人情 
☆M296 英国  神様の顔に豚の睾丸  日英同盟日本が偉くなって
☆N354 宗近と小野 真面目 不安
☆O370 義母 世間  ☆P372 義理
☆Q378 化石した表情  藤尾  床の上に倒れる
☆R379 藤尾  北を枕に寝る 

道義『野分』古いか  魂の呼び声  内なる声  外部の声ではない
『虞美人草』悲劇の彼方  人為的約束  人間の自然  第一義  破滅
    自然主義の克服

◆文学論序  ◆書簡◆入社の辞◆文芸の哲学的基礎◆創作家の態度
草枕  二百十日  『野分』◆「 京に着ける夕べ」
狩野亨吉宛書簡  明治39年11月 「断片」

冒頭について
作品の展開構成
◇1  作中人物甲野欽吾宗近一小野清三井上孤堂浅井宗近の父甲野の父
        藤尾糸子小夜子藤尾の母
  甲野 「哲世界と実世界」 哲学者
277 井上孤堂にとっての60円  時代
  小野  詩人  文学者  情の人  博士論文  銀時計  金時計  紙屑篭
379 心を二六時にゆだねて隻手を動かすことをあえてせざるものは
290 甲野の父  肖像  親爺の眼
藤尾の母  326 宗近の父の批評 364甲野の批評
402 糸子  義理  謎の女  作者  海と山
◇2  知己  実際的
◇3  汽車  運命  百の世界  文明  博覧会 
◇4  アジア  人種と人種の戦争  アメリカ  アフリカ  ◆日本という考え
◇5  義理  謎  小細工 

行動  二百十日  阿蘇・比叡  見えている 圭さん→宗近 禄さん→甲野
道也の分解  行動性・哲学性  宗近と甲野  道也  行動的か?  観念性  圭さんと道也  圭さんの観念性  主観だけがあって方法がない  道に迷う  迷子  三四郎  ストレイシープ  道也  主観性  観念性  小野さん  詩人  情 
百の世界  性格  フラット  球形明瞭  勧善懲悪  哲学  性格不定形論  意識不定形論

[5]72 山門 安直な銅像より *アメリカを見ろ 日本という考え
大概は知らぬ間に殺されているようなものだ
77  第一義  血で以てふざけた了見を洗った時に
[7]99  急行 寝台列車 百の世界 世界の交錯 卍 曼陀羅 
5年  過去  孤堂先生の過去と小野さんの過去  小夜子の過去
四個の小世界は、停車場に突き当たって、しばらく、ばらばらになる。
[8]113  二十世紀に生まれた人間  藤尾の母  義母
115 遠回しに云う事はちっとも通じないようね
117 ただし地球は昔しより廻転する。明暗は昼夜を捨てぬ。
外交官の試験に落第したって、ちっとも恥ずかしがらない
学問も何も出来ない癖に大きなことばかり
118 「あんな趣味のない人」藤尾  ◆「あんな見込みのない人は、私も好かない」母
鎖の先に燃える柘榴石ガーネット
127 世界滅却の日をただ一人生き残った心持ち 
[9] 128 真葛が原に、女郎花が咲いた。
冬は五年の長きを厭わず
小夜子は過去の女である。小夜子の抱けるは過去の夢である。過去の女に抱かれたる過去の夢は現実と二重の関を隔てて会う瀬はない。
◆水の中へ紛れ込んだ一雫の油は [『文学論』序]
自分の世界が二つに割れて、割れた世界が各自
138 先の世に住み古したる人を便りに、小野さんには、追い付く事も出来ぬように遅れてしまった……古い人に先立たれ、新しい人に後れれば、今日を明日と、その日に数る命は、文も危うい。

142 「私は昔の通りで、ちっとも変わっていないそうです。……変わっていないたって……」
博士論文 
[10]142 謎の女は・・・
謎の女は人を迷宮に導いて、成る程と云わせる。ふうんと云わせる。灰吹をぽんと云わせる。二十世紀の禁物は疾言と遽色である。
・何故ある紳士、ある淑女に尤も法律に触れやすいか

[11]166 蟻は天木に集まり、人は新しきに集まる。文明の民は激烈なる生存のうちに無聊をかこつ。
・文明の民程自己の沈滞に苦しむものはない。
173 得意の小野さんは同時に失意である。・時代遅れのお荷物

[12]  小野さん  詩人  貧乏
188 藤尾は丙午である。藤尾は己れの為にする愛を会する。人の為にする愛の、存在し得るやと考えた事もない。詩趣はある。道義はない。
・藤尾は男を弄ぶ。一毫も男から弄ばるることを許さぬ。

  藤尾は愛の女王である。成り立つものは原則を離れた恋でなければならぬ。愛せらるを専門にするものと、愛する事のみを念頭におくもの  変則の愛
・藤尾の恋は小野さんでなくてはならぬ。
東京 273  孤堂にとっての東京  小野にとっての東京  小夜子にとっての東京
京都  東京と京都  ◆◆博覧会  ◇藤尾の家  ◇宗近の家
甲野の内的世界 25 宗近の世界  意志と行為  実践
379 心を二六時にゆだねて隻手を動かすことをあえてせざるものは
雨  小説的時空  時間と空間
20  古今来を空しうして、 東西位を尽くしたる世界のほかなる世界に片足を踏み込んでこそ
  世界滅却の日  第一義    春は行く  行く春

[17]342 青麦 352麦のにおい自然
  [19]408春はここに尽きる  藤尾の死  世界
◇人々はただ当世を賛美し、未来の夢を追い、ひたすら自己を失って、 人々に押されながら、 人々を押しながら、前へ前へと押し出されて行く。

『虞美人草』執筆中の手紙の言葉
細民はナマ芋を薄く切って、それに敷割(麦のひきわり)などを食っているよし。芋の薄切は猿と択ぶ所なし。残忍なる世の中なり。而シコウ して彼等は朝から晩まで真面目に働いている。  岩崎の徒を見よ!!!
  終日人の事業を妨害して(いな企てて)三食に米を喰っている奴等もある。漱石子の事業はこれらの敗徳漢を筆誅するにあり。         

『野分』少数 理解されない 孤独 孤立 淋しさ   
[9] 小夜子は銀時計すら入らぬと思う。百の博士も今の己れには無益である。
弱者と強者  庶民にある  弱肉強食の思想
奮闘努力  弱者は踏みつぶされる
ヒューマニズム  平等思想を理想主義と見る  甘いと見る
自然の制裁

小野さん  甲野さん  宗近君  浅井君
< さん> と< 君> 姓が示される
女性は名が示される
            
◆◆『虞美人草』日露戦争に勝った
『草枕』『三四郎』『野分』危ない、 危ない、 日本は危ないで充満している。
金権  汚職  権力の腐敗 100年の後を見よ
  内部からの腐食 結核性
自己  自信
藤尾  糸子  小夜子
義母  宗近の父  井上孤堂

モード 装飾 文学学問  必要  バインディング 本と紙屑籠

  未来『明暗』 謎 *いつどう変わるか誰も知らないのだ
『虞美人草』長夜の踊り 骸骨の踊り 自然の復讐 浮気は止まない 第一義
死に直面して知る真面目[ 現代の腐敗日本の今の問題破滅]
世界に目を向けない二人だけの世界藤尾と小野さん救世軍ロシアの虚無党  ふざける  驕り驕慢プライド現代の青年に多いタイプ 
『道草』継続中
『それから』代助 何故働かない 日本の社会 三千代《 ごまかしていらっしゃるようよ》
昔の代助

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