米英の「人権」論をわらう」 ガーディアン(英国)論評=17日付
『朝日新聞』 2008年4月20日
ジンバブエが権カ闘争によって困難な事態に陥ったことに疑問の余地はない。中国チべット自治区では人々の不満か騒乱を引き起こし、当局に武力鎮圧された。
しかし、ジンバブエとチベットに欧米はなぜ、これほど特別な関心を寄せるのか。暴力や抑圧、不正選挙といった理由だけでは説明しにくい。ソマリアでは内戦で数千人が命を失い、エジプトでは選挙前に数百人も投獄された。
決定的な違いは、米英の極めて重大な関与があった点だ。英国はジンバブエを植民地支配したうえ、白人人種主義者によるクーデターに対処せず、15年も続いた解放闘争を誘発。米国ともども財政支援を怠り、今日の行き詰まりを招いた。チベットでは英国の支配的役割は米中央情報局(CIA)に引き継がれ、CIAはダライ・ラマの活動を長年、,資金援助してきた。チベット独立の見込みがなくとも、中国を脅威とする米国にとって、少数民族問題は中国をつつく材料になるのだ。
米英のイラクやアフガニスタンにおける殺人や拷問といった所業をみると、その「人権」論は筋が通らない。中国のチベット問題は北京五輪に飛び火したが、英国もまた、2012年のロンドン五輪で、自らの「前歴」のために大規模な抗議にさらされるだろう。
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